TOKIWAZU MOJIE

    常磐津文字絵
   Tokiwazu is one of the most important narrative styles of music in the kabuki theater.

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 映像

 

今回の製作にあたって

 私の父(常磐津東蔵)は1965年TBS連続ドラマ「連舞」のテーマ音楽の作曲をきっかけに、三味線音楽を多くの人に親しんでもらいたいという思いから作曲に取り組んできました。
 自身のリサイタルで発表したり、舞踊家の方々からの委嘱を受け作曲し振り付けされて舞台で披露された作品もあります。1980年前後には「文化庁舞台芸術創作奨励特別賞」や「文部省芸術祭優秀賞」を受賞し、古典曲の形式や旋律にこだわらず、三味線の音の魅力を発揮する興味深い曲作りをしています。
 また子供にも親しみやすく、興味を持ってお稽古をできるようにと気軽に口ずさめるような曲を父は作ってきました。 その作品の中でも特に「小僧と狐」「錦鯉」は、とても印象に残っている曲でした。
 このたび、文化庁「文化芸術活動の継続支援事業」の支援を受け、この2曲のイメージをアニメーション映像にし、演奏とともにWEB上に公開します。多くの方に気軽にご視聴いただければ幸いです。


「小僧と狐」

作詞 藤沢竹晴  作曲 常磐津東蔵 1975(昭和50)年
浄瑠璃 常磐津文字東勢
三味線 常磐津文字絵  低音三味線 常磐津孝野
映像 永井信義

山形の民話から。”ずいてん” というお寺の小坊主が一人で留守番をしているところへ、いたずら狐がやってきます。太い尻尾で“ずい”と扉をこすり、すかさず頭で“てん”と打つ。呼び出された小僧は待ち構え、狐が頭を打ち付けるタイミングで扉を開ける。転がりこんだ狐と小僧のやりとりが始まります。“ずいてん”の表現や小僧が狐を追い回すシーンなどが楽しく描かれています。
この度の企画のために東蔵師に低音三味線パートの作曲を依頼し、効果音も加えて曲の演出をしました。


>>小僧と狐歌詞はこちら



「錦鯉」

作詞 大川人士  作曲 常磐津東蔵 1976(昭和51)年
浄瑠璃 常磐津文字東勢
三味線 常磐津文字絵  常磐津孝野
映像 永井信義

春の穏やかな池の中に錦鯉。生まれたばかりの小さな鯉や色とりどりの五色の鯉が悠々と泳いでいます。美しい鯉たちが華やかに池を彩る様子が描かれています。
私はこの曲に振りをつけて踊っていただけたら素敵になるのではないかと思っています。


>>錦鯉の歌詞はこちら